こんにちは、しろです。
今回もこのブログを読書メモがわりにさせていただきます。
三浦しをんさんの「月魚」を読みました。
きっかけとして、CLAMP展に行った際に「ツバサの黒鋼とファイ」や「xxxHOLICの四月一日と百目鬼」みたいな、この人がいないと生きていけないという状況になってしまったような二人が好きなんだ、という風に言ったところ、同行してくださったユウさんから好きでは?(しかもユウさんは何度も読み返すらしい)と言ってくださったので買ってみました。
ユウさんのセンスとか感じ方をとても信頼しているので読みたいな〜と思ってたけど、文庫本をパラパラとめくってみたところ、調子のいいガタイのいい男と線が細く神経質そうな男のコンビだ、と一度ページをめくっただけでわかる描写があったので、ユウさんって私のことわかってるな……(オタクみんな好きな作品だと思ったりもするのでこれは思い上がりかも)と感じました。
ふたりの内心のお互いを想う感情と繋ぎ止めたいという仄暗い感情と、罪悪感がしきりに描かれるところに、三浦しをん先生の執念がバシバシと伝わる作品。
この二人のもどかしさと切なさ、どこかコントラストが薄く、セピア色で描かれているような。これがエモというやつかもしれないです。
古本屋という「業」に魅入られたふたりの話だったけど、実際に古本屋ってどんなかんじなんだろう?とか、神田行ってみたいな〜とかも浅ーーいところでも思えるような、そんな美しくて触れたい情景が広がる小説でもありました。
そんな古本屋業の「せどり」の息子と、跡取り孫という身分違いの恋のような関係性も憎かった。この二人を散々に対比させて、想いだけは同じものにする。二人の関係性として一番見たいものです。ありがとうございます。
その二人は同じ事件で違う罪を抱えたまま相手を捉えていると思い込んで、そして自分はそんな相手に甘えていると思い込んでさらに罪の意識を強くさせているのもとてつもなく好きでした。
ふたりの美しい想いあいが見たくなったらまた読むだろうな〜!
文字なのに綺麗な情景を感じてデトックスされるみたいな不思議な物語でした。教えてくれてありがとう、ユウさん。